グリーンボンドに期待される事項

グリーンボンドを発行する際には、「調達資金の使途」、「プロジェクトの評価及び選定のプロセスに関する投資家への事前説明」、「調達資金の管理」、これらの情報に関する「開示」を行うことが推奨されています。また、これらの対応について、客観的評価が必要と判断する場合には、外部機関によるレビューを活用することが望ましいとされています。

レポーティング

レポーティングとは、グリーンボンド発行に関する最新の情報を、発行体のウェブサイト等を通じて発行後に公開し、投資家へ事業に関する進捗情報の提供を行うことです。投資家保護の観点から、透明性が高く即時性のある情報公開が期待されています。

開示のタイミングについては、発行体は、全ての資金が充当されるまでは少なくとも1年に1回、資金の使用状況を開示すべきです。全ての資金が充当された後も、大きな状況の変化があった場合には必要に応じて開示すべきです。

開示情報の例

  • 調達資金を充当したグリーンプロジェクトの概要・進捗
  • 充当した資金の額
  • 環境改善効果(実績・予測)
  • 未充当資金がある場合には、その金額又は割合、充当予定時期及び未充当期間の運用方法
  • 守秘義務契約がある場合などには、情報を集約した形式で行うことも考えられます。
  • 環境改善効果は可能な場合には、定量的な指標が用いられ、その算定方法や前提条件とともに示されるのが望ましいとされています。

個別グリーンプロジェクト単位での情報開示の例
事業区分 具体的事業 事業概要 進捗状況 調達資金
充当額
環境改善
効果
再生可能エネルギーに関する事業 風力発電プロジェクト 風力発電施設を建設して当該施設により発電を行い、電力をFITにより売却するもの 施設建設中(▲年★月に発電開始予定) ○○億円 CO2削減効果
□□t-CO2/年
汚染の防止と管理に関する事業 廃棄物リサイクルプロジェクト 廃棄物をリサイクルして燃料を製造する施設を建設し、燃料を製造するもの。 ◆年▼月施設建設工事着工予定 ●●億円 単純焼却される廃棄物の削減量◇◇t/年
自然資源の持続可能な管理に関する事業 植林プロジェクト ■■地域の生態系を保護するため、植林を行うもの。 実施済 ◎◎億円 植林により再生された森林の面積▽ha
合計 ××億円
  • 現在未充当となっている×億円については、廃棄物リサイクル施設の建設工事の進捗に伴い、◆年★月及び☆月に充当される見込みである。それまでの間、現金又は現金同等物による運用を行う。
  • 各プロジェクトの詳細については別途示す。

事業区分ごとに情報を集約した情報開示の例
事業区分 具体的事業 件数 充当額 環境改善効果(CO2削減効果)
再生可能エネルギーに関する事業 太陽光発電 ○○件 ●●億円 ◎◎t-CO2/年
風力発電 ○○件 ●●億円 ◎◎t-CO2/年
蓄電池の製造 ○○件 ●●億円 ◎◎t-CO2/年
小計 ○○件
(うちリファイナンス〇件)
●●億円
(うちリファイナンス●億円)
◎◎t-CO2/年
省エネルギーに関する事業 省エネ性能の高い建築物の新築 △△件 ▲▲億円 ▽▽t-CO2/年
建築物の省エネ改修 △△件 ▲▲億円 ▽▽t-CO2/年
小計 △△件
(うちリファイナンス△件)
▲▲億円
(うちリファイナンス▲億円)
▽▽t-CO2/年
環境配慮製品、環境に配慮した製造技術・プロセスに関する事業 環境認証を取得する製品の製造 □□件 ■■億円 ◇◇t-CO2/年
小計 □□件
(うちリファイナンス□件)
■■億円
(うちリファイナンス■億円)
◇◇t-CO2/年
合計 ××件
(うちリファイナンス□件)
××億円
(うちリファイナンス■億円)
××t-CO2/年
未充当資金
(短期金融資産にて運用)
☆☆億円  
  • 以下、代表的な事業を数例示す。

環境改善効果に係る指標、算定方法等

各グリーンプロジェクト事業区分ごとの環境改善効果に係る指標、算定方法など
事業区分 指標の例 詳細
再生可能エネルギーに関する事業 CO2排出量の削減量(t-CO2) プロジェクトを行わなかった場合に想定されるCO2排出量(t-CO2)と、プロジェクト実施後のCO2排出量(t-CO2)を比較して算出
再生可能エネルギーによる発電電力量(GWh) プロジェクトで建設された施設による再生可能エネルギー発電の電力量(GWh)
製造工程における再生可能エネルギー利用率(%) 製造工程における再生可能エネルギー利用率(総エネルギー使用量に占める再生可能エネルギー使用量)を、プロジェクト実施前後で比較
省エネルギー
に関する事業
CO2排出量の削減量(t-CO2) プロジェクトを行うことによるエネルギー使用量(kL等)の削減量にCO2排出係数(t-CO2/kL等)を乗じて算出
エネルギー使用量の削減量(kL, t, m3, MWh) プロジェクトを行わなかった場合に想定されるエネルギー使用量(kL等)と、プロジェクト実施後のエネルギー使用量(kL等)を比較して算出
環境認証の取得数 プロジェクトに係る建築物に関し取得したLEED, CASBEE, BELS等の環境認証の数
導入した省エネ設備の数 導入した省エネ設備(例:代替フロン(HFC)からノンフロンに変更した冷凍・冷蔵機器)の数)
汚染の防止と管理に関する事業 大気汚染物質の削減量 プロジェクトの実施により削減された大気汚染物質(硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)等)の大気中への排出量(t)
水質汚染物質の削減量 プロジェクトの実施により削減された水質汚染物質(化学的酸素要求量(COD)、生物化学的酸素要求量(BOD)等)の公共用水域等への排出量(t)
埋立処分される廃棄物量の削減量(t) プロジェクトの実施により削減される最終処分場で埋立処分される廃棄物量(t)
リサイクル量(t) リサイクルされる廃棄物の量(t)
自然資源の持続可能な管理に関する事業 持続可能な手法により管理される森林等の面積(ha) 持続可能な手法により管理される森林等の面積(ha)
生物多様性保全に関する事業 持続可能な手法により管理されるサンゴ礁等の面積(ha) 持続可能な手法により管理されるサンゴ礁等の面積(ha)
クリーンな運輸に関する事業 CO2 排出量の削減量(t-CO2) プロジェクトを行わなかった場合に想定されるCO2 排出量(t-CO2)と、プロジェクト実施後のCO2 排出量(t-CO2)を比較して算出
次世代自動車の割合(%) 新車販売台数に占める次世代自動車の割合(%)
持続可能な水資源管理に関する事業 浸水面積の減少量(ha) プロジェクトによって減少する豪雨等の際の想定浸水面積(ha)
受益者数(人・世帯) プロジェクトによって水へのアクセスを得られる人数(人)・世帯数(世帯)
気候変動に対する適応に関する事業 持続可能な手法により管理される森林・流域等の面積(ha) 持続可能な手法により管理される森林・流域等の面積(ha)
浸水面積の減少量(ha) プロジェクトによって減少する豪雨等の際の想定浸水面積(ha)
環境配慮製品、環境に配慮した製造技術・プロセスに関する事業 製品1トンあたりのCO2排出量の削減量(t-CO2/t) 製品1トンあたりのCO2 排出量(CO2 排出量(t-CO2)÷ 生産量(t))を、プロジェクト実施前後で比較して算出
原材料投入量の削減量(t) プロジェクト実施前後の原材料投入量(t)を比較して算出