各国・地域のグリーンボンドガイドライン等

各地域、各国でグリーンボンドに関するガイドライン等が策定されています。

画像:ASEANの旗
ASEANでは、2017年11月に、アセアン各国の資本市場規制当局で構成される「アセアン資本市場フォーラム」がグリーンボンド原則を基礎として「アセアン・グリーンボンドスタンダード(2018年改訂)PDFデータ」を策定しました。同スタンダードに基づいて発行されるグリーンボンド(グリーンスクークを含む)は、アセアン・グリーンボンドのラベルが付与されます。化石燃料発電を適格プロジェクトから除外する旨の明記やより頻繁な発行者による報告を推奨するといった特徴があります。
画像:中国の国旗
中国では、2015年12月の中国人民銀行がグリーンボンドガイドラインとグリーンボンド対象適格プロジェクトを示した「Green Bond Endorsed Project Catalogue」を策定し、2016年1月には、国家発展改革委員会がグリーンボンドガイドラインを策定しています。それ以降も、中国証券監督管理委員会等によってガイドライン等が策定されています。さらに、2017年12月には、中国人民銀行と中国証券監督管理委員会が共同で、グリーンボンド認証機関に求められる資格や認証方法等を定めたグリーンボンドの認証機関に関するガイドラインを発表しています。中国では、政策策定機関により発行対象およびその要求事項が異なります。また特徴としては、中国人民銀行は石炭のクリーン利用を、国家発展改革委員会は原発を適格プロジェクトとして含めているといった点があげられます。
画像:インドの国旗
インドでは、2017年5月にインド証券取引委員会が「グリーンボンドの発行と上場に関わる情報開示の要件新しいタブまたはウィンドウで開く」に関する通知を発行しました。この通知は、グリーンボンドに関わる情報開示について詳細に規定しており、調達資金の使途、および、充当されていない調達資金の詳細について半年毎の情報開示が求められています。さらに、プロジェクトまたは、資産、(守秘義務契約により個別情報の開示が難しい場合には)事業分野ごとに、概要および充当金額の一覧、環境面でのインパクトに関する定性評価の指標や可能な場合には定量評価手法について年次での情報開示等が求められています。
画像:欧州旗
EUでは、2019年6月、「持続可能な金融についてのハイレベル専門家グループ」による「EUグリーンボンド基準」の最終報告書PDFデータが発表されました。報告書では、適格対象事業はEUグリーン分類に則したものであること、グリーンボンドフレームワークの作成の要求、資金充当報告と環境インパクト報告の二種類の報告書作成の要求、外部レビューとともにレビュー機関の認証の要求などが提言されています。

また、グリーンボンドの上場にあたり条件を設けている証券取引所もみられます。以下は、その代表的な証券取引所の上場基準等です。

  • ロンドン証券取引所:ICMAのグリーンボンド原則等、資金使途について、業界で広く認識されている基準との整合性を確認する外部レビューを上場の際の条件に設定している。ただし、外部レビューは、コンサルタントレビュー(セカンドオピニオン)、立証、第三者認証、レーティングのいずれの形式でもよい。また、発行後レポートの開示も義務化。
  • ボルサ・イタリア証券取引所:グリーンボンドとして扱われるためには、上場に際しては、独立した第三者機関によって「認証(certify)」される必要があるが、その「認証」はコンサルタントによる監査でもよい。また、年一回の資金使途の情報開示の義務がある。
  • ナスダック証券取引所:ナスダックでは、ナスダック・ストックホルムと中小新興企業向け市場のナスダック・ファースト・ノースの2か所にサステナブルボンドのセグメントを設置。これらにグリーンボンドを上場するには、外部レビューや年一回のレポーティング等が求められている。なお、ナスダックの上場基準は、ICMAのグリーンボンド原則に準じたもの。レポーティングをしない等ナスダックの基準に違反した場合は、一般市場へ移管となる。
  • ルクセンブルグ証券取引所:外部レビューおよび資金使途に関するレポーティングの義務がある。また、ICMAのグリーンボンド原則、Climate Bonds Initiative(CBI)のタクソノミー、中国人民銀行のグリーンカタログ等幅広い資金使途を認め、トランジションセクターも認めているが、資金使途がこれらの基準に則っているかは確認している。また、ICMAの外部レビュー機関のためのガイドライン(Guidelines for External Reviewers)を採用。
  • オスロ証券取引所:オスロ証券取引所のオスロ・ボーズおよびノルディックABMにグリーンボンドを上場するには、環境面に関する独立したセカンドオピニオンの実施と公開、事後レポーティングが義務となっている。

参考文献

  • ACMF (2018)’ASEAN Green Bond Standards’
  • CBI, IISD and Foreign & Commonwelth Office (2016) ‘Roadmap for China: green bond guidelines for the next stage of market growth’
  • Climate Bonds Initiative (2017) ‘China Green Bond Market 2017’
  • Climate Bonds Initiative (2018) ‘Chinese regulators introduce supervisory scheme for green bond verifiers - Further step in building market frameworks’
  • EU technical expert group on sustainable finance (2019), ‘Report on EU Green Bond Standard’
  • Securities and Exchange Board of India (2017) ‘Disclosure Requirements for Issuance and Listing of Green Debt Securities’
  • LSE(2019)’Sustainable Bond Market (SBM) Factsheet’
  • Borsa Italiana (2019) ‘How to be included’
  • Nasdaq (2019) ‘Nasdaq Green Bond Criteria’
  • NASDAQ (2019) ‘Sustainable Bonds are designed to help investors looking to finance a better tomorrow’
  • Luxemburg Stock Exchange (2019) ‘FAQ LGX bonds’
  • Oslo Stock Exchange(2019)’Green bonds’